【開催のねらい】
エビデンスに基づいた活動障害の評価、リスクを回避しながら活動性を向上させる技術
セラピストは、生活機能の低下した高齢者に対して身体機能の改善だけを目指すのではなく、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく多面的に働きかける必要性があります。
また、「活動」「参加」が不十分となる要因として、動作不良があげられるので、機能障害を特定する動作分析はADLを高め、QOLの向上を目指す上で重要となります。
しかし、機能訓練が漠然と実施され訓練そのものが目的化してしまっているケースも見受けられます。
このセミナーでは、ご利用者主体の日常生活に着目した目標を設定するための活動分析と介入方法を学び、ご利用者が在宅生活をイメージし、「したい」「してみたい」「うまくできるようになりたい」と思う生活行為を引き出す実践について学びます。
【参加のポイント】
(1)最大能力(できるADL)と実用能力(しているADL)を捉える視点
(2)ご利用者、家族へフィードバックし、ADLに汎化するような働きかけ
(3)一連の評価と介入のリーズニング過程
【セミナー内容】
■知っておくべきADLの注意点
・医介連携に必要なBarthel Index(BI)とFunctional Independence Measure(FIM)の違いとそれぞれの特徴の理解
・最大能力(できるADL)と実用能力(しているADL)を捉える視点
■ご利用者、家族、スタッフで大きな乖離「できるADL」と「しているADL」
・ご利用者、家族、スタッフ間において、ADLの乖離が生じる原因は「生活でのADL」と「現場でのADL」という視点の違い
・通所での訓練やケアの目的は、在宅生活や地域社会への参加に繋げる事
・ご利用者、家族から情報収集する事の重要性(情報共有)
・「できるADL」をご利用者、家族へフィードバックし、ADLに汎化する働きかけ
■ご利用者の状態を情報共有する工夫
・共通言語でのやり取り(専門用語は噛み砕いて伝える)
・担当者会議で共通認識をもつ
・情報提供書などの書式内容の標準化
・適材適所の情報共有と専門職の特化した職能の理解と尊重
■ケアを阻害する因子
・内的要因と外的要因の把握をした上で、個別的な阻害的因子の整理・分析
・考えられる内的因子(疾患による影響、身体機能面の変化、認知機能面、内服薬の副作用、体調不良や痛みによる影響、ご利用者の性格やモチベーションなど)
・考えられる外的因子(環境への適応力、補装具などの適応、ケアに関わる介護方法の相違など)
・効果的な「ケア計画書」「リハビリ計画書」への繋げ方
■ケア、リハビリ場面で気をつけるべきポイント
・ご利用者のニーズと自分たちのサービス提供内容がマッチングしているか
・ご利用者の利用目的やニーズを把握し、ケアプランに繋げ、結果としてアウトカムを伝えるまでのプロセス
・ご利用者のモチベーションを向上させるプロセス
・多職種が共通認識を持ち「自立支援」に向け関わる仕組みづくり
■ケアの工夫で脳が動き身体が動く
・脳のメカニズムの視点
・外部からの感覚情報(視覚、聴覚、体性感覚、前庭系等)を適切に伝え、脳内の神経ネットワークを望ましい方向へと導く
・動作や活動が上手く行ったときは報酬系を賦活する目的での“褒める”重要性
・何が正しい動作なのか…トライ&エラーの中での学習促進
・脳内ネットワークとケアの工夫の関連づけ
■身体機能、認知機能の評価と介入
・疾患により身体機能や認知機能の評価と介入は異なる
・普遍的な要素(重力環境下での抗重力活動、ヒトの筋骨格系)
・疾患別のスクリーニング評価
・認知機能のスクリーニング評価(ご利用者との問診や標準化されたテストバッテリー)
・介入は的確な評価に基づき、的を得た介入となる
・一連の評価と介入のリーズニング過程
■日常生活を想定した関わり
・課題となっている動作や活動は、どこが問題でどこに潜在能力があるのか
・自宅に近い環境設定の中で行う動作確認の重要性
・運動分析と課題分析
■実技・演習 など
・日常生活を想定した介入のベースとなる「姿勢・動作分析」
・食事や整容、トイレ動作、手を用いた活動などの基盤となる「坐位姿勢の評価」
・更衣(特に下衣更衣)や入浴、さらには歩行にも繋がる「立位姿勢の評価」
・「できるADL」と「しているADL」の差を縮めるために重要な誘導や介助の段階付け
・hands on から hands off へ移行していく判断やプロセス ほか
※詳細はこちらからもご覧いただけます
https://www.tsuusho.com/activity_analysis/
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